中小企業の融資活用ガイド
中小企業向け融資とは?
■銀行の貸出方針の転換
●金融機関が行っている融資先の格付け
金融機関では大手銀行を中心に、かつてのように中小企業の事業内容や将来性、または不動産担保を評価して融資を行うようなことはなくなってきています。金融機関は、各融資先に対して債務者区分を決め、機械的に融資の審査を行っているのが現状です。
債務者区分は、主に財務内容つまり決算書で形式的に判断されます。つまり、どのような決算書を作ったかが問われてしまうのです。債務者区分とは、優良な先から順に「正常先」「要注意先(要管理先)」「破綻懸念先 」「実質破綻先」「破綻先」となっています。実際には、もう少し細分化して格付けを行っていますが、格付けが上位であるほど安い金利で融資が受けられます。正常先とは、債務超過でなく利益体質であり、融資の返済も当初の契約通り進んでいる状態です。赤字が続いたり、一時的ではあっても本業で多額の赤字を計上したり、欠損や債務超過になると、要注意先に判断される可能性が高くなります。売り上げに対して借入過多といった状況も、要注意先の候補となり得ます。要注意先と破綻懸念先とでは、銀行にとって必要な貸倒引当金が全く異なるため、どちらに区分されるかは金融機関の融資姿勢に大きな影響を及ぼします。つまり、破綻懸念先と判断されては、追加の融資はほとんど不可能ということになるのです。
●事業計画や資金繰り表は反映されない?
最近の「ビジネスローン」も、従来の金融機関の考え方とは違う基準で融資を判断しようというものです。
基本的な考え方としては、業種や地域を分散させた同規模の企業の中から、さらに一定基準を満たした100社を集めます。そして上限金額を決めて、100社全てに融資を行います。100社のうち数社が破綻しても、それをカバーできるだけの金利を100社から取っているし、コストもかけないのでそれなりに利益が上がるという手法です。
中小企業が融資を受けるためには、この100社の中に入らなければならないわけですが、その条件は
- 債務超過ではない
- 経常利益がマイナスではない
- 税金の滞納がない
の3点ぐらいです。これをクリアしたら、決算書をコンピュータにかけて融資の内容を決めるというシンプルなもので、事業計画や資金繰り表などがほとんど反映されない融資です。
このような融資も増えてきていますので、中小企業も融資を受けるに当たっては自社の見せ方を変えていかなければなりません。
